頭皮が赤くてかゆみが強い、皮がポロポロ剥ける、なんて場合は皮膚炎の可能性があります。頭皮にできることが多い脂漏性皮膚炎は、抜け毛の原因になるケースもあるので要注意。
最初は、ちょっとフケが増えてきたかな?なんてところから始まり、徐々に症状がひどくなり受診すると「脂漏性皮膚炎」と診断されます。
頭皮の脂漏性皮膚炎の主な症状は、
- カサカサした皮がむける
- 赤くなっていて脂っぽい
- かゆい
- 抜け毛が増えた
などです。
脂漏性皮膚炎は比較的男性に多い皮膚疾患ですが、女性でもかかることもあります。清潔にすれば治ると自己判断して、ごしごしシャンプーをしてしまうと悪化します。
脂漏性皮膚炎はきちんと処方された薬を使わないと改善しません。脂漏性皮膚炎かもしれない、と思ったら早めの受診をおすすめします。
脂漏性皮膚炎は自宅でのケアも大切です。頭皮にできた脂漏性皮膚炎に安心して使えるシャンプーはあまり多くありません。皮膚科ですすめられたものが合わないケースも・・・。
そんな場合は安心できる成分のものから一つずつ試してみましょう。

ここでは、脂漏性皮膚炎の人でも安心して使えるシャンプーや、お家での改善法も合わせて紹介していきますね。
脂漏性皮膚炎に安心なシャンプーを選ぶポイント
脂漏性皮膚炎の頭皮は、余分な皮脂はしっかりと落とさなければいけないとともに、逆に落としすぎるのもいけません。
シャンプーに一番多く配合されているのは洗浄成分です。洗浄成分の脱脂力が強いと脂漏性皮膚炎の地肌には刺激が強すぎます。
脂漏性皮膚炎の頭皮には、脱脂力の強い硫酸系・せっけん系ではなく、アミノ酸系・ベタイン系のものを選びましょう。
そのほか、刺激になる成分も厳禁です。皮膚の刺激になるカチオン界面活性剤や、地肌に残りがちなシリコン・合成ポリマー類、着色料なども避けましょう。
また、脂漏性皮膚炎の原因に「マラセチア菌」という真菌が関係していることから、真菌を殺菌する成分も必要です。ここは重要で、単に成分が低刺激なだけでは役割としては不十分ですので注意してください。
油性保湿成分もマラセチア菌の餌になってしまうのでNGです。
脂漏性皮膚炎の人がシャンプーを選ぶポイント
- 洗浄成分はアミノ酸系・ベタイン系
- カチオン界面活性剤・合成ポリマー・シリコン・香料・着色料不使用
- 抗真菌成分配合
- 油性保湿成分不使用
脂漏性皮膚炎におすすめのシャンプー

脂漏性皮膚炎におすすめのシャンプーを紹介していきます。
前の項の選ぶポイントにそって条件に合うものを2種類紹介しますね。
コラージュフルフル
こちらはよく勧められるのですでに使ったことがある人も多いかもしれません。
コラージュフルフルは抗真菌成分「ミコナゾール硝酸塩」配合です。ドラッグストアでも手に入れられるので買いやすい。
カダソン
カダソンは抗真菌成分「サリチル酸」配合です。皮膚科専門医が開発したとのことで話題のシャンプー。
パラベン、鉱物油、合成着色料、合成香料、石油系界面活性剤、シリコン不使用でオイルフリー。口コミも良いです。
脂漏性皮膚炎用のシャンプー比較表
ここでは、頭皮の脂漏性皮膚炎用のシャンプーとしてよく名前を聞く4つのシャンプーの比較をしてみました。
ニゾラルは海外製のためか全成分がわからず・・。お値段が安く試した人も多いオクトは主要な洗浄成分が硫酸系という結果に。
低刺激で抗真菌成分が配合されている、コラージュフルフルかカダソンがやはりおすすめです。
商品名と販売サイト | 洗浄成分 | 抗真菌成分 | 値段 |
---|---|---|---|
![]() ![]() | アミノ酸系・ベタイン系 | オクトピロックス(抗菌) ミコナゾール硝酸塩(抗真菌) ピロクトン オラミン(抗真菌) | 400ml:2,600円(税込) |
カダソン ![]() | アミノ酸系・ベタイン系 | サリチル酸(抗菌・抗真菌) | 250ml:3,218円(税込) |
![]() | 硫酸系・ベタイン系 | サリチル酸(抗菌・抗真菌) | 320ml:350円(税込) |
![]() | ? | ケトコナゾール2%(抗真菌) | 100ml:1,266円(輸入なので変動あり) |
他の低刺激なシャンプーは脂漏性皮膚炎には合わないの?
低刺激なアミノ酸シャンプーは、ここでおすすめしている2商品以外にもたくさんあります。ですが、脂漏性皮膚炎の殺菌に必要な抗真菌成分が配合されていません。
普通の乾燥肌や軽めの敏感肌の人には良いと思いますが、脂漏性皮膚炎の人にはやはり専用のシャンプーをおすすめします。
脂漏性皮膚炎で処方される薬【病院】
病院に受診して処方してもらえるのは外用薬と内服薬です。
医療機関によって違いがあるかもしれませんが主に処方される薬をあげていきます。
外用薬 | ・ステロイド薬
・抗真菌薬 |
内服薬 | ・ヒスタミン薬
・ビタミンB2、ビタミンB6 |
ステロイド薬には炎症とかゆみを抑えてくれる効果があります。マラセチア菌を抑えるためには抗真菌薬も必要です。
かゆみがひどくてかきむしらないよう、かゆみを抑える内服薬ヒスタミンも処方されます。また、過剰な皮脂分泌を抑えるビタミンB2やB6も処方されます。
病院で処方される薬をつけたり飲んだりするのは当然のこと、脂漏性皮膚炎の改善ではお家でのケアも不可欠です。
脂漏性皮膚炎はどうすれば治せるの?原因から探る対処法
脂漏性皮膚炎は残念ながら一度良くなっても繰り返し発症することのおおい病気です。
脂漏性皮膚炎を改善するには、まずはどうしてそんな症状が出るのか知っておきましょう。
マラセチア菌が脂漏性皮膚炎の原因になってしまう理由
脂漏性皮膚炎の原因であるマラセチア菌は、実は皮膚にもともと存在する常在菌です。常在菌はマラセチア菌以外にも表皮ブドウ球菌やニキビ桿菌(かんきん)などがいます。
常在菌が作りだす酵素は皮脂と混ざりあって、肌の表面に皮脂膜を作って髪や地肌を保護してくれます。
ところが、皮脂分泌が多かったりきれいに落としきれていないと、常在菌が過剰に繁殖してしまいます。常在菌の中でもマラセチア菌が作りだす遊離脂肪酸には刺激性があり、皮脂が多いとこの遊離脂肪酸が刺激になって炎症が起こり脂漏性皮膚炎になってしまいます。
マラセチア菌を過剰に増やさないためには
皮脂が過剰に増えることでマラセチア菌も増えます。年代的に脂漏性皮膚炎を発症することが多いのは皮脂分泌の多い20代男性だといわれています。女性だと10代です。
ところが、ストレスが多く生活習慣も乱れてくることで年代や性別に関係なく発症するケースも少なくありません。
マラセチア菌を増やさないためには、汚れはきちんと取り除くことと同時に生活習慣の改善も必要になってきます。食生活では、脂っぽいものやジャンクフード、お菓子などは控えましょう。
ストレスや睡眠不足は皮脂の分泌を促進してしまいます。一度治ってもまた発症することが多いのは、ストレスや疲れがたまっている時期が多いです。
生活習慣の改善はなかなか難しい問題ですが、まずはできることから少しづつ取り組んでみてくださいね。
【まとめ】
- 頭皮の脂漏性皮膚炎におすすめなのは、低刺激で抗真菌成分入り
- 脂漏性皮膚炎は受診と自宅でのケアで治す
- シャンプーなどのヘアケア製品の見直しが必須
- 生活習慣・食生活の改善も合わせて取り組む