最近のノンシリコンシャンプーブームで、すっかりイメージが悪くなってしまった「シリコン」ですが、ほんとうにそんなに危険性のあるものなのでしょうか?
「毛穴に詰まる」
「キューティクルをはがしてしまう」
などなど言われていますが、本当のところは?
実はシリコンは安全性の高い物質
シリコン配合のシャンプーは、通常は特に問題のある成分ではありません。むしろ、細くて絡まりやすい髪やダメージヘアにとってはシャンプーに配合されていると使用感が良くなります。
ただし、大量に入っているような場合は頭皮に残ったり、髪の表面をコーティングしすぎてしまうことでパーマのかかりが悪くなるというようなトラブルがあります。
シャンプーに入っているシリコンの表記名:
ジメチコン、アモジメチコン、シリカ、プロピルジメチコン、ジメチルポリシロキサン等 |
シリコンはなぜ安全なの?どんな場合に入りすぎちゃうの?
って疑問について、次からくわしく解説していきます。
そもそもシリコンってなあに?
シリコンは地球を構成する金属元素のひとつで、原子番号14のケイ素の別称です。
主に半導体やガラスの原料として使われている鉱物です。「鉱物」と聞くと不安に思うかもしれませんが、ケイ素というのは他の元素と結合しにくく、単体で安定して存在するため、人体には無害な物質とされています。
金属アレルギーのある人でも安心して触れることができる金属なので、有害性はとっても低いです。
シリコンをシャンプーに入れるとどうなる?
シャンプーにシリコンが配合される目的は、髪同士の摩擦を緩和して滑りを良くするのが目的。
コンディショナーやトリートメントなどに配合されている場合は、髪をコーティングして保護するためです。
シリコンがヘアケア製品に使われている場合は次のような効果があります。
- シャンプー時のきしみを軽減する
- キューティクルの保護
- なめらかな手触りにする
シリコンの種類
シリコンは大きく3種類に分けられます。
シリコンオイル
シリコンオイルは潤滑油やワックスの原料になり艶を出す効果があります。
撥水性に優れているため、ベタつきを抑える効果があります。シャンプーに配合することで、サラサラとした肌触りなのに、パサつきの無い光沢のある髪質に仕上げてくれます。
代表的なのは「ジメチコン」です。一部で、皮膚を膜でおおってしまい、皮膚呼吸を妨げるので有害だ!と言われていますが、実際はメッシュ状の物質で酸素を通すため、心配はありません。
また、人体の組織と反応しないため、危険性は極めてゼロに近いと言えます。シャンプー、コンディショナー以外に、化粧品にも多く使われています。
揮発性シリコン
揮発性シリコンは、その名の通り一定の温度を超えると気体になる液体です。
オイルよりも分子量が小さいのが特徴です。代表的なものとして「シクロメチコン」があります。
有効成分と一緒に使用する事で、有効成分を髪や肌に吸着させてコーティングする働きをします。揮発性が高いため結果的には消えて無くなりますが、有効成分はそこにとどまります。
揮発性シリコンには否定的な意見がありますが、それは同時に配合される成分の方の問題なので、揮発性シリコン自体は危険性は全くありません。
水溶性シリコン
水溶性シリコンは、界面活性剤と合わせることで水溶性となったものです。しっとりした艶のある髪質になり、シャンプー時のきしみや、乾かした時のパサつきを抑える効果があります。
水に溶けるため、シャンプー後にも成分が残りません。そのため、もともと無害なものがさらに安全性が高い成分になります。
水溶性シリコンは、比較的コストの高いシャンプーやトリートメント、化粧品に配合されています。コストの面だけがデメリットと言えるかもしれません。
シリコンに害はあるの?
これまで解説したとおり、シリコン配合のシャンプーやコンディショナーは髪のパサつきを抑え、しっとりとツヤがあるのにベタつかない髪に仕上げてくれます。
シリコンを配合すると、髪の毛一本一本がコーティングされるため、髪の毛どうしの摩擦を防ぎ、それ以上ダメージを受けにくくします。
電子レンジで簡単に蒸し料理ができる調理器具を知っているでしょうか?あのやわらかでカラフルな調理用器具はシリコンでできています。
つまり、調理器具に使われるほど安全性の高い物質であるということです。髪や頭皮に付いても無害なので、たくさんのシャンプーやコンディショナーに使われている素材なのです。
シリコンは安全性が高く、ダメージが広がるのを防いでくれる優秀な成分なんです。
シリコン配合の商品が合わない人って?
安全性が高いとはいえ、シリコン配合の製品が向いていない人ももちろんいます。
シリコン配合のシャンプーを使うとしっとり仕上がるので、根元がペちゃんこになりやすいです。
そのため、ボリュームアップした髪型にしたい人には不向きです。髪が細かったり、ハリコシがなくてふんわりさせたい人にはあまり向かない成分です。
また、髪の表面をコーティングしてしまうので、髪がダメージを受けていても内部に栄養を浸透させたりすることができなくなります。
表面上だけコーティングすれば手触りは改善しますが、本当の意味でのダメージ補修はできません。
内部からの保湿と手触り改善、表面のコーティングをトータルでケアしたい人は、ノンシリコンでダメージヘア向けの商品がおすすめです。
ノンシリコンシャンプーを選ぶときに気を付けたいこと
ノンシリコンシャンプーは、今ではどこでも手に入るほどポピュラーな製品です。
ただし、ノンシリコンなら何でもOKだとは言えない状況です。
シリコンは髪の表面の保護とシャンプーの時のきしみや絡まりを防いでくれますが、シャンプーの洗浄成分が強いのにノンシリコンだと、シャンプー時の摩擦が大きくなってしまうので毛髪のダメージが進んでしまいます。
また、毛髪へのダメージはもちろん、脱脂力が強いので頭皮へのダメージの心配もあります。
ダメージヘアの人だけじゃなく、薄毛や抜け毛など頭皮ケアが気になる人も、気を付けて洗浄成分をチェックしましょう。
刺激が強いので避けたい洗浄成分
- 硫酸系
- スルホン酸系
- せっけん系
刺激が低くておすすめの洗浄成分
- アミノ酸系
- ベタイン系
「ノンシリコン」というと耳障りが良く、ついつい洗浄成分に目がいかないケースもありますが、シャンプーで
一番大事な洗浄成分にこだわるのはとっても大事です。
洗浄力の強い硫酸系シャンプーには、大量配合のシリコン問題がありがちですが、アミノ酸シャンプーは洗浄力が穏やかなので、ほぼノンシリコンです。
ノンシリコンシャンプーを選ぶときには、ぜひチェックしてみてくださいね。
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