化粧品の成分にこだわる人なら、チェックしていくうちに「ポリクオタニウム」という文字の登場回数に気が付くことも多いですよね。

ポリクオタニウムにはいくつか種類があるのですが、ここでは、ポリクオタニウム-51、61などの、「リピジュア」と呼ばれる成分について解説していきたいと思います。
リピジュアとは?
リピジュアには、
- リピジュア(ポリクオタニウム-51)
- リピジュア-S(ポリクオタニウム-61)
- リピジュア-A,C(ポリクオタニウム-65)
があります。
ただし、一般的に「リピジュア」と言うときは、後ろにアルファベットの付かない「リピジュア(ポリクオタニウム-51)」のことを指していることが多いです。
開発したのは日油株式会社で、「リピジュア」は商標登録されています。
私たちの身近なところでは、薬用石鹸、シャンプー、トリートメント、育毛剤、デオドラント製品、マウスウォッシュ、歯磨き剤、浴用剤、カラーリング剤、パーマ剤、ファンデーションや日焼け止めなどに配合されています。
効能は保湿や皮膚の保護、刺激緩和、肌荒れの抑制などです。
リピジュア(ポリクオタニウム-51)って?
リン脂質ポリマーとも呼ばれる皮膚表面のバリアの様な役割をする保湿剤で、ヒトの涙にも含まれる成分です。医薬品やありとあらゆる化粧品、人工臓器にも使われています。
成分名の表記が長くてわかりにくいのですが、医薬部外品の場合は2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液や2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ステアリル共重合体と表記されています。
複数の成分の結合による高分子成分で、複数のリン脂質の結合体です。
どんな効果がある?
化粧水や乳液などのスキンケア化粧品のみならず、ファンデーションや日焼け止めにも配合されており、肌を紫外線や外気から守るバリア効果が高く、反対に内部の水分を外に放出させないため、乾燥を防ぎ肌を柔らかくしっとりとさせる効果があります。
水に強いので、水での洗顔やプール、海などでも成分が肌に残り、効果が持続します。その水分保持力はヒアルロン酸の2倍という試験結果が出ています。(日油株式会社調べ)
安全性は?毒性や副作用はあるの?
人工血管の内壁に使われていたり、やけどや皮膚の炎症を抑える薬にも使われていることからも分かる様に、毒性の心配がない成分です。
皮膚への刺激のほぼない性質という点では医薬品として求められる条件をクリアしており、アレルギーを起こさない成分であること、また副作用のない成分として高く評価されている成分なのです。
敏感肌の人が使っても問題なく、薬用化粧品や医薬品にも多く使われている成分なので、安心して使うことが出来ます。
*当サイトで紹介しているヘアケア製品では「CA101」のトリートメントにリピジュア-51が配合されています。
リピジュア-S(ポリクオタニウム-61)って?
ポリクオタニウム-51が水溶性なのに対して、ポリクオタニウム-61は脂溶性で、スキンケア化粧品よりもファンデーションや口紅などのメイクアップ化粧品に多く使われています。
バリア機能の点では同じになっており、効果としては荒れた肌の修復で、肌荒れやニキビ対策に効力を発揮します。
毒性はなく、ポリクオタニウム-51同様安全であることが確認されています。
リピジュア-A,C(ポリクオタニウム-64、65)って?
リピジュアは化粧品毒性判定事典では毒性が高いと表記されていますが、このリピジュア-A,C(ポリクオタニウム-64、65)が陽イオン界面活性(カチオン)と同種とされていることが理由で、肌への刺激が強いと判断されているためです。
リピジュアAとリピジュアCは、ヘアケア製品に配合されるのが目的で開発されたリピジュアです。ダメージヘアをしっとりさせ、手触りよく仕上げてくれる効果があります。
ポリクオタニウム-51,61より低刺激性では劣りますが、スキンケアではなくヘアケア製品への配合が目的です。
塗りきりではなく洗い流すのが前提での使用に限られるので、神経質になって避けるほどの毒性はありません。
あわせて読みたい
