ふけを伴う脱毛症で薄毛になる症状の1つに粃糠性(ひこう)性脱毛症というものがあります。
粃糠性(ひこう)というのはあまり聞きなれない言葉ですが、粃糠性(ひこう)=米ぬかのこと。
米ぬかに似た大量のふけが出るのでそう呼ばれています。
粃糠性(ひこう)性脱毛症には次のような症状があります。
- とにかく大量のふけが出る
- シャンプーをしても大量のふけ
- グレーがかった白っぽいふけが出る
- かゆみもある
- 頭皮が赤っぽい
- 脱毛してきた
- 生えている髪は細くてツヤがない
もし、単なるフケ症だと思い込んで自己流の対策をしていると、どんどん悪化する可能性があります。少しでも粃糠性(ひこう)性脱毛症の可能性がある人は、早めに受診しましょう。
放置していると増えすぎたふけが毛穴を塞ぎ、髪が生えてくる邪魔をするので薄毛もどんどん進んでしまいます。

ここでは、粃糠性(ひこう)性脱毛症次からは原因や自宅での改善法も紹介していきますね!
粃糠性(ひこう)性脱毛症の原因
ふけは古くなった頭皮が剥がれ落ちたものですが、皮膚のターンオーバーがうまくいかなくなると大量に発生します。
その大量のふけが毛穴を塞いでしまい、菌が繁殖して抜け毛につながってしまいます。そのため、比較的皮脂分泌量の多い思春期以降の男性に多い皮膚疾患です。
が、女性でもかかる人もいます。女性ではどんな人がかかりやすいのか原因を上げていきますので、思い当たる項目がないかチェックしてくださいね。
ホルモンバランスの乱れ
女性の体には女性ホルモンと、それよりは少ない量ですが男性ホルモンも存在します。
ところが、何らかの原因でホルモンバランスが乱れ、男性ホルモンのほうが優位になると、症状の一つに皮脂分泌量の増加があります。
そうなると女性でもふけが大量に増え、菌が繁殖して粃糠性(ひこう)性脱毛症を発症してしまう可能性があります。
以下にホルモンバランスが乱れる原因を上げていきます。
加齢
年齢とともに女性ホルモンが減少します。特に更年期以降の女性は注意。
ストレス
ひどいストレスを感じると、自律神経が乱れホルモンバランスの乱れを引き起こします。また、免疫力も低下するので菌に対する耐性も弱まります。
睡眠不足
睡眠中は成長ホルモンが分泌され、体内のあらゆる細胞が修復と生成を行います。
睡眠が足りないと成長ホルモンが十分に分泌されず、頭皮の皮脂バランスが崩れ頭皮環境が悪化し、ふけが増え菌が繁殖してしまう恐れがあります。
以前はゴールデンタイム(22時~2時)に睡眠をとるのが必須と言われていましたが、現在では時間帯よりも睡眠の質と最低限の量が大切だと言われています。
食事
揚げ物や甘いもの、スナック菓子などは、肌の皮脂分泌を促進してしまうと言われています。
大量に食べてはいないか注意しましょう。
シャンプーなど
頭皮環境の悪化に直接拍車をかけてしまうのが洗髪方法と使っているシャンプーです。
洗髪時にはかゆいからと言って爪を立てたりゴシゴシこするような洗い方だと悪化してしまいます。
シャンプーは洗浄力の強いもの、刺激になる成分が多いものは避けましょう。また、刺激になるからと言ってお湯だけで洗髪するのもタブーです。髪の毛が多く毛穴に皮脂がたまりやすい頭皮はお湯だけではしっかりときれいにすることはできません。
粃糠性(ひこう)性脱毛症の人は、低刺激なシャンプーで汚れはしっかり落とし、傷はつけないよう優しく洗うのがポイントです。
具体的なおすすめシャンプーはこのページの最後のほうで紹介します。
粃糠性(ひこう)性脱毛症の治療法
粃糠性(ひこう)性脱毛症は、脂漏性皮膚炎の症状ととてもよく似ています。
「粃糠性(ひこう)性脱毛症は脂漏性皮膚炎に脱毛の症状が伴ったものである」とか、「脂漏性皮膚炎と似ているが内容が少し違う」という見解がありますが、実は原因については十分に解明されていないというのが実情のようです。
抜け毛につながる工程は、脂漏性皮膚炎が皮脂の過剰分泌によるカビの活性に対して、粃糠性脱毛症は発生したフケが毛穴自体を塞いで、そこからバイキンが繁殖し抜け毛につながるという違いあります。
脂漏性(しろうせい)皮膚炎に脱毛が伴ったものと考えられています。
引用元: gooヘルスケア( 嵯峨賢次 – 廣仁会札幌皮膚科クリニック
)「粃糠性脱毛症の症状や原因・診断・治療方法と関連Q&A」
症状の違いがあったとしても発症の原理が同じなので、粃糠性(ひこう)性脱毛症は脂漏性皮膚炎と同じ治療法がとられます。
病院での治療
受診科は皮膚科です。または美容皮膚科です。治療は内服薬と外用薬で行われます。
- ステロイド外用薬
- 抗真菌薬(外用)
- 抗ヒスタミン薬
- ビタミンB2、ビタミンB6
ステロイド外用薬には皮膚の炎症を抑える効果があります。また、脂漏性皮膚炎と同じくマラセチア菌を抑える抗真菌薬を処方されます。
抗ヒスタミン薬にはかゆみを抑える効果、ビタミンB2とビタミンB6には過剰な皮脂分泌をおさえる効果があります。
改善するには?自宅での生活で心がけること
粃糠性(ひこう)性脱毛症の改善には、病院で処方された薬以外にも自宅でのケアも必要です。
先にあげたような生活習慣が原因の一つにもなっているので、できるだけストレスを減らし良質な睡眠をとるよう心がけましょう。
食生活では脂っぽいものや甘いものに偏ることなく、バランスの取れた栄養たっぷりのメニューを食べるようにしてください。
病院でビタミンB剤を処方されることでもわかる通り、ビタミンB群は特に意識して摂取しましょう。主に乳製品やレバー、ニンニク、マグロ、ピスタチオなどから取れます。
粃糠性(ひこう)性脱毛症におすすめのシャンプー
粃糠性(ひこう)性脱毛症には刺激のある成分が入ったシャンプーは避けなくてはいけません。洗浄成分が硫酸系で脱脂力の強いもの、カチオン界面活性剤や香料など刺激になる成分はNGです。
また、一見良さそうなせっけん系の洗浄成分は、弱酸性の頭皮に対してアルカリ性の性質をもつ洗浄成分です。脱脂力も強いので避けてくださいね。
粃糠性(ひこう)性脱毛症におすすめなのは洗浄力が強すぎず低刺激なアミノ酸系の洗浄成分です。また、粃糠性(ひこう)性脱毛症の原因である菌の発生を抑えてくれる抗真菌成分の配合も必要です。
- アミノ酸系洗浄成分
- 刺激のある成分は無添加
- 抗真菌成分配合
次に上の条件に当てはまるシャンプーを2つ挙げていきますね。
コラージュフルフル
抗真菌成分「ミコナゾール硝酸塩」配合でのコラージュフルフルです。
ドラッグストアでも見かけることが多く、使っている人も多いおなじみのコラフル。
カダソン
こちらは抗真菌成分「サリチル酸」配合のカダソンです。
脂漏性皮膚炎用ですが、治療内容が同じ粃糠性(ひこう)性脱毛症の人にももちろんおすすめ。
【まとめ】
- 粃糠性(ひこう)性脱毛症のはっきりとした原因はまだ解明されていない
- 症状が似ている脂漏性皮膚炎と同じ治療法が行われる
- 病院で処方されるのは外用薬と内用薬
- 自宅ではできる限り食生活や生活習慣の改善をする
- 洗い方とシャンプーには気をつかう